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今回は、産後うつを取り上げます
政府が産後うつの治療について本腰を入れる姿勢を示しました。
今回明らかになったのは、「自殺総合対策大綱」に妊産婦の支援を新たに盛り込むということ。最初に実態把握をするということです。
背景となるデータ
東京都監察医務院と順天堂大の調査で、
2014年までの10年間で妊娠から産後1年以内に自殺した女性は、23区内だけで63人いたことがわかった。
このうち産後は40人で、5割が産後うつなど精神疾患の診断を受けていた。
出生10万人あたりの妊産婦の自殺数は8・7人で、23区内の出血などによる死亡数(産後42日未満)3・9人を上回っていた。
ただ、これまで全国的な調査はなく、詳しい実態はわかっていなかった。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170216-00010001-yomidr-sctch
産後うつは、まだまだ広く認知されているとは言い難いです。
しかし、政府が対策に乗り出すほど状況は逼迫してきています。
背景に、核家族化が進み、密室育児(母子2人の状態)のケースが多くなっていることが考えられます。
一般的に10~15%の方が産後うつにかかるというデータがあるほどです。
そして、しばしば取り上げられる悲しい幼児虐待のニュースも、その要因に産後うつがあると指摘されています。
社会状況が変化した今、妊婦さんに限らず、
その旦那さん含め、周囲の方も産後うつの理解を深める必要に迫られているのです。
ということで、産後うつについて、調べました。
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産後うつとは?
- 産後うつ
- 出産によって
ホルモンバランスを崩したり、急激な環境の変化、育児への不安から精神面に不調をきたす症状を指します。
周囲からサポートが受けられず、責任感が強い妊婦さんに起こるケースが多いと言われています。
一般的には、産後2~3週間以内に発症すると言われています。ただし、個人差があり、中には産後3~4ヶ月で発症する人もいるようです。 治るまでの期間も個人差があり、1ヶ月~数年というケースもあります。
※マタニティブルースと似た症状ですが、こちらは、産後数日のうちに涙もろくなったり、軽い抑うつ状態になる状態で、期間は短く、治療の必要はないものを指します。
症状
産後うつは、一般的なうつのように、不安感に苛まれたり、いらいらや不眠などがあります。
それに加え、育児に関する悩みや、夫の愛情を感じない、こどもが可愛く思えないなど、産後特有の症状があります。
産後うつを自己診断したい場合、岡野禎治氏診断による診断表があります。
最初に2点。
- 気分がひどく落ち込む
- 今まで関心があったものに対して興味がわかない
これらに該当して、さらに以下のチェック項目に当てはまるものがあれば、心療内科医に相談することが勧められています。
- いつも疲れているような気がする
- あまり眠れない
- 何かに対して不安な気持ちになることがよくある
- イライラする
- 将来に対する希望がもてない
- 集中力や記憶力が弱くなったと感じる
- 自分を責める
- 食欲がなくなる
- 子供や夫に愛情を感じられない
もしかしたら、自身がうつ状態にあることを認めたくなかったり、心療内科にかかることに対して抵抗感を感じるかもしれません。しかし、産後うつは病気です。病気になったら治すは、ごく普通の行為です。 自己診断で該当したら、悪化する前に病院に頼ることが勧められています。
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産後うつの治療
産後うつを治療すべき理由は、重症化を防ぐためです。
重症化、つまり、産後うつが長引けば、本格的なうつに移行する可能性があります。
その結果、
- 産後クライシス
- こどもへの悪影響
が引き起こされる可能性が高まります。
産後クライシスは、産後2年以内に夫との関係が冷え込むことを言います。最悪の場合は、離婚へ至ることもあります。
また、虐待を受けたり、愛情を受けられなかった子供は心の発達に影響が出ることが考えられます。
自分のためにも、周囲のためにも治療を行うことは必要ということです。
治療のステップ
予防を含め治療のステップは以下通りです。
- 夫など家族と話し合い
- 地域の子育て支援センターで相談
- 心療内科にかかる
心療内科の治療は、カウンセリングと投薬治療です。
カウンセリングで共感してもらうことが、産後うつの治療に効果的だと言われています。
また、産後うつへの効果を匂わせる
様々な薬の宣伝を見かけますが、薬は医師が処方したものだけを正しく服用すべきです。
理由は、授乳によるこどもへの影響が考えられるからです。
また、医師に処方してもらう場合は、育児に影響が少ない薬を希望することも伝えておくことで、医師が気をつけるのはもちろんのこと、自分自身の安心にもつながるようです。
まとめ
産後うつの対策や治療で大事なポイントは1人で抱え込まないことといえます。
母親は産後、自然と責任感が増し、
誰かに任せることにストレスを感じてしまいます。
周囲はその気持ちを汲み取って、精神的にも肉体的にもアシストをすることが産後うつの対策になります。
産後の母の心の状態を確かめる家庭訪問(長野市)や、心の不調を訴える妊産婦専用の電話相談(大阪府)など自治体レベルの支援が始まっています。
そして、政府もこの取組みに着目し、動き始めました。
今後、産後うつへの理解と対策がいっそう進むことを期待されます。
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